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​なぜ便秘をするのか?

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便秘の主な原因

偏った食事(直腸性便秘)

排便するときに必要な筋肉であるインナーマッスル(腸腰筋、腸骨筋)の筋力低下(弛緩性便秘)

ストレスによる(痙攣性便秘)

ダイエットと称してあまり食べない事

食べた物が大便となって排泄されるまでにかかる時間は、人間の場合、だいたい12~48時間です。

3日以上排便がない症状を便秘といいますが、便秘になる人がめずらしくないため、便秘は病気でない、と思っている人は少なくありません。

便秘を気にしない無頓着な「便秘意識」が問題です。

調査によると、便秘で悩んでいる女性は48%、2人に1人の割合だそうです。

女性の3人に2人は、5日も便秘が続く深刻な状態です。

 

ところで、便秘にはさまざまな種類があることをご存じでしょうか。

  • まったく排便できないため、土日に下剤を飲んで出す「週末トイレ症候群」

  • ストレスのため便秘になり、1日に浣腸を5,6回使わないと出ないほどの「ストレス性便秘」

  • 「ダイエットしすぎの便秘」

  • ウンチのもとにならないパンやお菓子などしか食べず、「出すものがない便秘」

  • 子供たちにも4~5日に1度、ウンチをちびちび漏らす「遺糞症」

といわれる便秘が多くなってきています。こうした便秘は、腸年齢の老化の端的な症状なのです。

便秘になると、吹き出物が出やすく、顔色も黒ずんでつやがありません。

便が滞ると、大腸内の悪玉菌が有害物質を産生し、それが大腸壁から吸収されて全身の血中にめぐります。その結果、皮膚に常在する菌の活性を高めてしまうのです。また、大腸内にガスがたまり有害物質ができて体に悪い影響を与えるとともに、ますます、便秘がひどくなるという悪循環に陥るようにもなります。

 

とりわけ女性の場合、中学・高校のころから、朝食抜きや、ミニスカートで体を冷やしていると、当然、便意をもよおさなくなります。また「恥ずかしくてトイレに行けない」「行くと馬鹿にされる」という社会的な側面も、排便を我慢させる一因となっています。さらに、運動不足。若い人ほど運動不足で、 腹筋・背筋が弱く、ウンチを排出する力がないのが現状です。食事をしても、出す力を持たないとウンチは出ないのです。

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便秘薬について

最後に便秘薬について解説します。

便秘薬は大腸の水の吸収を阻害し、水分含量を十分に維持して便を出させます。いわゆる下痢状態を作ることで、腸管運動を活発化させるのです。また、運動不足や老化で腸管のぜん動運動が弱くなり、ウンチを押し出すことができない人を対象にした腸管に刺激を与える薬もあります。

 

この種の便秘薬は、神経系統にも働くため、飲み続けると麻痺して効かなくなってきます。

そうすると、ますます強い薬を飲み、腸管の運動を低下させてしまうことになります。便秘薬には即効性がありますが、薬によって便秘を解消させる選択は、大きな誤りといえます。食生活で自分の便秘を解消する、あるいは、少しは軽減させる努力をしないと、便秘を促進する結果となります。

便秘薬や便秘予防薬に慣れてしまうと、便秘はますますひどくなり、薬が効かなくなることを知ってください。

便秘解消の秘策

下剤を使っても、2週間に1度しかウンチが出なかった女性たちに、毎日ヨーグルトを300グラム以上食べてもらったところ、ほとんどが1週間程度で、ウンチが出るようになったのです。

便通だけでなく、腸内細菌の構成も大幅に変化し、悪玉菌のクロストリジウムなどが減って、善玉菌のビフィズス菌が増えました。 排便を促す腸のぜん動運動は、1日に1~2回程度しか起こらないのですが、 せっかく便意が起こっても、そのときにウンチをしなければ、次第に直腸は便意を伝えなくなり、便意がない状態になってしまいます。

 

また、十分な水分も 必要です。

力まずに出る健康なウンチなら、水分は80%。

しかし、コロコロウンチは水分が60%以下です。通常なら、1日か2日で大腸を通過するウンチが、 何日も大腸内にとどまっていたら、どんどん水分は吸収されて硬くなってしま います。 しかしヨーグルトを食べると、乳酸菌やビフィズス菌が作り出す酢酸や乳酸が、腸を刺激してぜん動運動を活発にし、便通がよくなるというわけです。

​高齢者の便秘

便秘が深刻なのは、若い世代ばかりではなく、高齢者にとっても深刻な問題です。

特に寝たきりや認知症の高齢者は、加齢による内臓器官の衰えで便秘が習慣化してしまいます。

一度便秘になると食欲不振になり、出るものがなくなる悪循環に陥ってしまいます。そこで便秘の解消に、ヨーグルトや乳酸菌飲料、食物繊維豊富な食べ物の積極的な摂取が薦められるのです。

 

埼玉県のある老人ホームでは、便秘のために自力で排便できない認知症の高齢者に、やむなく下剤を使っていたのですが、下剤を使うと1日10回以上排便し、しかも、下痢状態になってしまうのです。そこで、下剤と併用して1日に250グラムのヨーグルトを20日続けて飲んでもらったところ、10人中6人は排便の回数が減り、そのうち2人は半減するという結果がでたのです。

 

さらに、普通の硬さまではいかないものの、全員、下痢が緩和されたというのです。

高齢者、特に寝たきりや認知症の方の便秘は辛く、どうしても下剤に頼りがちですが、乳酸菌やビフィズス菌をもっと利用すれば、ご本人も介護者も、もっと快適でつらさの少ない毎日を送れるものと思います。

高齢化社会のわが国では、この課題は深刻です。

ヨーグルトや乳酸菌の機能が全開する時代を迎えたのです。

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